世の中にはいろいろな加工食品がありますが、何も固形の食べ物だけではありません。何らかの食材に手を加えた食品全てが加工食品になるので、液状の食品であっても立派な加工食品になります。そこで今回は、液状の状態が多い油脂の加工食品を考えたいと思います。
大前提として押えておきたい事実がありますが、油も加工食品です。その理由は簡単で、全ての油は植物や動物の食材を元に作られているからです。実際、油の代表的な種類を以下に一覧にしますが、全て名称で分かるように、天然の動物や植物を材料にして精製されています。
以上が代表的な油になります。大豆やゴマなど何の動植物から搾り出した油かは名称を見れば分かりますが、どれも立派な加工食品です。
文字通り大豆から取れた油になります。食用、マーガリンなどに用いられ、米国や中国で主に作られます。
アブラナの種から搾り出した油になります。主にカナダ、中国、ヨーロッパで作られる油で、主に食用として消費されます。
米ぬかから作られる油で、日本が原産です。主に食用として利用されています。
文字通り、綿の実から搾り出される油で、米国や中国、インドで主に作られます。食用でもありますが、マーガリンにも利用されます。
フィリピン、インドネシアなど南国で作られる油です。マーガリン作りに利用される他、製薬の現場でも使われる油になります。
パーム果肉から採れる油です。西アフリカ、マレーシアが主な原産国になります。マーガリンなど、食用として主に使われています。
日本でもおなじみの油ですが、その名の通り、コーンから作られています。米国、インドで主に作られ、食用としてマーガリンなどに利用されています。
ゴマの種から搾り出された油で、主に中国、インド、スーダンなどで作られています。風味が独特で、食用として利用されています。
ヒマワリの種が原料になっています。その食材を圧搾して作る油で、ロシアや東欧で一般的な油になります。食用が基本です。
イワシやニシンから採れる油です。実は日本が原産国で、魚を煮て油を抽出します。食用として利用されます。
豚や牛の脂肪組織を煮出して油を抽出します。完全に食用で、米国や日本が原産国になります。
以上が油脂食品です。どれも植物や動物を圧搾したり煮込んだりして油を抽出し、集めて利用します。日本は十分な油脂を抽出するだけの資源が乏しく、米ぬか以外の原料はほとんどが輸入に頼っています。実は最も見えない部分で輸入に頼っている食品が油脂だといっても過言ではありません。
ちなみに動物や植物性の油に水、塩、乳化剤を入れて冷やし、練り合わせた固形物をマーガリンといいます。バターの代用品として利用されています。