缶詰食品


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缶詰食品

缶詰の原理はキャットフードなどにも応用される缶詰の原理はキャットフードなどにも応用される

保存食品といえば缶詰を想像する人も多いと思います。震災などの備えで非常食として用意する人も多いはずです。缶詰内部の食品は長期保存可能なので、非常食として最適だからです。

ただ、それほどなじみ深い缶詰でも、どのような手法で製造しているのか詳しく知らない人はたくさん居ると思います。そこで今回は、身近な加工食品である缶詰食品を考えてみたいと思います。

缶詰は人類が発明した優れた加工食品の1つ

缶詰はソースなど液体の保存にも使える缶詰はソースなど液体の保存にも使える

缶詰はそもそも、イギリスのピーター・デュランという人がブリキ缶を1810年に発明した時点から歴史が始まります。その6年前に発明された瓶詰による食品保存の技術が、ブリキ缶で応用され、現在の缶詰食品の基礎となりました。

缶詰は完璧に密封されている缶詰は完璧に密封されている

缶詰も瓶詰も同じ原理によって成り立っているのですが、食品を缶詰にして長期間保存する方法は大まかに4ステップになっています。

(1)脱気
(2)密封
(3)殺菌
(4)冷却
世界中の家庭で愛される缶詰世界中の家庭で愛される缶詰

以上4ステップです。魚や肉、野菜、スープやケチャップなどの食材、食品を腐敗させないような技術が施されています。

(1)脱気
食品を入れた缶の中から最初に空気を取り除きます。液体の場合と固形の場合で空気を取り除く方法が異なりますが、いずれにせよ食品を詰め、仮締めした状態で空気を抜いて真空にし、真空巻き機で完全に密閉します。

(2)密封
簡単にふたが取れないように、二重巻締機で密封します。

(3)殺菌
容器内に残った菌を殺すために、加熱処理を行ないます。果実類は比較的低温で殺菌し、肉類は比較的高い温度(110℃から120℃)で60分から90分加熱します。

(4)冷却
加熱殺菌をした缶詰は、流水ですぐに30℃以下になるように冷やします。缶は瓶と違い、加熱から冷却へすぐに移っても容器そのものが割れてしまう恐れがないので、一気に冷却できます。

缶詰は保存性、携帯性に優れている

現代の食生活に缶詰は欠かせない現代の食生活に缶詰は欠かせない

以上のようなプロセスを踏んだ缶詰は、保存性だけでなく携帯性にも優れています。缶詰は基本的に手のひらに乗るサイズなので野外に携帯も可能ですし、室内に保管しておく場合にも場所を取りません。肝心の味も最近の缶詰は素晴らしいので緊急時の非常食のみならず、日常的に食べてもいいでしょう。

ただ、魚介類、食肉の缶詰の場合、タンパク質が分解されて硫化物となり黒くなってしまうなどのデメリットもあります。また、缶詰特有のにおいを発生する場合もあるので、その辺りのマイナス点と上手く付き合いながら活用してください。