加工食品というと大きな食品工場を思い浮かべる人も居れば、サバの缶詰を思い浮かべる人も居るかもしれません。あるいはスーパーマーケットに売られているキュウリの漬け物を思い浮かべる人も居ると思います。そもそも加工とは何なのか、岩波書店の『広辞苑』を調べてみると、
という説明があります。ならば加工食品とは、「何らかの食材に手を加え、細工をした食べ物」と定義できると思います。例えば小麦に手を加えて成形した食べ物が、皆さんご存じのパンです。
同じ小麦でも加工の仕方を変えると、うどんになります。塩漬けした豚肉をひき香辛料を加えて風味のある練り肉にし、羊や豚の腸に詰めた加工食品をソーセージといいます。
私たちの生活と加工食品は密接なつながりがあります。冬の間に食料の不足した大昔の人々が、夏の間に採れる食料を保存して冬に食べようという動機から、加工食品は生まれました。あるいは野生の果実や木の実をもっとおいしく食べようという動機から、加工食品は生まれたのです。
その流れは現代社会にも受け継がれています。私たちは先人の努力の末に獲得した加工食品の技術の上に豊かな暮らしをしているといっても過言ではありません。
例えば先ほど挙げたソーセージもそうですし、ハンバーグもそうです。ロースハムもベーコンもビーフジャーキーも全て加工食品です。子どもの大好きなジャムもマーマレードも加工食品ですし、日本人には欠かせない梅干もたくあんもふりかけもめんつゆも塩辛もみそも全て加工食品です。さらにはキムチもピクルスもヨーグルトもバターもあんこもキャラメルもチョコレートもマヨネーズも納豆も全て加工食品です。
私たちの食生活は加工食品で成り立っているといっても過言ではありませんし、加工食品があるからこそストレスなく私たちは冬を越し、1年中おいしい食材を楽しめているのです。
このサイトが、私たちの身近にある加工食品を改めて見直すきっかけになればと思っています。何気なく食べている食品のありがたみを再確認できれば、人生が少しだけ豊かになるかもしれません。何気なく食べているソーセージの歴史を知れば味わいも変わりますし、ソーセージの作り方を知れば、何気なく胃袋に送り込んでいた食べ物の気付かなかった味に気付けるようになります。
そうした変化は細かく限定的かもしれませんが、細かい変化の積み重ねが大きく人生を変えてくれるのかもしれません。毎日口にする加工食品だからこそ、丁寧に味わってみてはいかがでしょうか?
このサイトがきっかけとなり、皆さんの加工食品に対する知識や意識が変化すればと願っています。何気ない日常を有意義な瞬間の連続に変わればと思います。